当敷地は常滑市旧市街地に近い谷地で、冬期は敷地にほとんど陽が当らないため、住宅内部にどのように光を取り入れるかが大きなテーマとなりました。しかし、360°視界が開けた場所であるため壁面に窓を大きくあけることはプライバシー上難しく、外部に対して閉じつつ明るい内部を作ることが求められました。
敷地に余白を多く残すため三階建とし、中央にある三層吹抜け上部にトップライトを設け、一年を通じて室内に光を取り込める計画としました。
吹抜けを樹の幹に見立て、そこに枝葉が取り付くように各階の床はスキップフロアとなっています。また、吹抜けの周りは木ルーバーが囲み室内へ柔らかな木漏れ日の様な光を届けます。
谷の法面に呼応するように傾斜した外壁は屋根材を使用し「菰」のような役割を果たしおり、また、常滑の旧市街でよく見かけらる煙突にも似ています。
懐かしくも新しい「マチノキ」はクライアントやそこに集うご友人達の居場所をたくさん備えた住宅となりました。
所在地 | 常滑市 |
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竣工 | 2013年5月 |
敷地面積 | 329.83m2 |
建築面積 | 61.59m2 |
延床面積 | 153.30m2 |
構造・規模 | 木造三階建 |
用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦+子供2人 |
構造 | 寺戸巽海構造計画工房 |
施工 | (株)誠和建設 |
撮影 | 杉野圭建築写真事務所 |
*半谷彰英建築設計事務所と共同設計
*第25回「すまいる愛知住宅賞」(独)都市再生機構中部支社長賞 受賞